学校の授業で憲法について出てくるけど、刑法とかと同じなの??
今回はこんな疑問を解決します。
学校の中間テストなどで憲法について学ぶことだと思います。
憲法の三原則や全文や条文がテストに出てくるから覚えないといけないけど、内容がよくわからないという方が多いとおもいます。
日本は法治国家にも関わらず法律の知識が著しく低いです。
専門用語が多く確かに難しいですが、法律の背景や事件などを知ることによって、身近に感じることができます。
テスト対策にも、単に長い文章を暗記するより背景を理解することによって、記憶の定着率もあげることが出来ます。
少しでも法律に興味を抱いて頂けたら嬉しいです。
憲法と法律は違うのか?
結論からいえば、殺人罪を定めている刑法などの一般的な法律とは違います。
具体的には目的が違います。
法律は、一般市民を縛るものです。
- 『人を殺すな』(殺人罪)
- 『人の物を奪うな』(窃盗罪)
- 『買ったものが自分の物になる』(民法555条)
このように市民の行動について、決め事をしているのが法律です。
憲法は、『国家権力を制限するため』の法です。
根拠としては、憲法99条にきちんと記されています。
憲法99条 憲法尊重擁護義務
つまり、いわゆる公務員と呼ばれる人達の行動を制限するために憲法があります。
この理由としては、国会議員が法律を決めているため国に有利な法律を作らせないように監視をする役目を果たすためです。
例えば、市民は公務員のいかなる言うことも聞かないといけない。指示に逆らった場合は、懲役3年に処する。という法律を作られたら困りますよね。
公務員は好き勝手に、自分たちだけの都合の良い法律を作ることも可能なわけです。
国家権力が暴走しないために『憲法に違反するようなことは許されない』とすることによって権力を抑止しています。
憲法は我々の味方だということを理解して欲しいです。
憲法は国の最高法規で法律の上位に位置します
上記内容で、国会議員が作った法律を無効にする為には憲法が法律より格上でないと実現しません。
そのため、その旨も憲法明記されています。
憲法第98条最高法規性
この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
この条文が存在するおかげで、法律より憲法の方が偉い!といえるわけです。
法律を作るのは、あくまで憲法が定めたルールを破らない範囲で作らないといけないわけです。
簡単に憲法は変えれない
いくら憲法が公務員の行動を制限しているとはいっても、『なら憲法を変えたらいいじゃないか!』となりますよね。
憲法を変えれば、簡単に国家の都合の良いルールを作ることができます。
そのため、憲法96条によって憲法の内容を変えるにはかなり厳しい条件が必要になっています。
日本国憲法第96条 硬性憲法
1項 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
2項 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。
条文だけだと少しわかりにくいんですが、衆議院、参議院両方の3分の2以上が憲法を変えましょう!
さらに、国民の過半数が賛成しない限りは憲法を変えることができません。
これがどんだけ難しいことかというと、日本は戦後1度も憲法を改正したことが無いほどです。
海外は下記のように幾度か改正をしています。
アメリカ | 6回 |
■カナダ | 17回(1876年憲法) |
2回(1982年憲法) | |
■フランス | 27回(新憲法制定を含む) |
■ドイツ | 59回 |
■イタリア | 15回 |
■オーストラリア | 5回 |
■中華人民共和国 | 9回(新憲法制定を含む) |
■韓国 | 9回(新憲法制定を含む) |
引用:国土技術センター
まとめ
憲法は国内において1番偉い法です。
法律を国家の好き勝手に作らせないようにする為にするのが、憲法の役割です。
この2点について、18歳から選挙権を持つ若い方々にも是非知ってもらいたいです。
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